分別に一粒の愚かさを混ぜておく

 つい、この前の事.....。そう思っていたら、月日の流れるのはドンドン加速して、「あれから幾年月」になってた。つい、この前の事.....。なんて思ってたら、自分も間違いなく「青少年」ではなくなっているし。でもさ、考えてる事も、書いている事も変わんないんだけど、同じ事言ってみたとしても、受け取られ方は大きく違うわね。仕方ないけど、それが現実。 そして大人なりの分別。 独り旅をしている時は、殆どは野営。だから...

ガード下の男

「行動しよう!」「遠くに行きたい、旅に出たい。」そんな気持ちは有るんだけれど、今の処、それを叶える事は出来ない。何とかならんのか? と、近場で良さげな所を探してみるんだけど、なかなかココロが沸き立たないのよね。 う〜ん.....。まぁ、ネット時代だから、皆様の写真などを見てれば、色々と情報を得られてしまうんだけれど、実際に訪れるのとはやっぱり違うもの。 まぁそんな自分だけの思いを叶えられる程の、収入も...

心さへ空に乱れしゆきもよに_ (5)

 酷い寒さで、うつらうつらとしているだけの夜が過ぎた。窓の外が薄明るくなってきて、無事に朝を迎られた事に安堵したけれど、「明日は雪が....。」そう言い残していったお爺さんの言葉を思い出し、外を覗いた。.....地面はかなり白くなり始めていて、空からは湿った雪が降り続いている。「鉄道員が来る前に出なくちゃ。」毛布を片付けながら、少年(私)はふと置き手紙を書こうと思った。ある意味「不法侵入」(これももう時効で...

春の夜の闇はあやなし_(4)

 ほろ酔いの騎士は、愛馬・カブ号に乗って目の前に現れた。「何してんだ兄ちゃん?」見慣れない、地元民ではない事は直ぐ判った様だ。早い終電もとうに過ぎていて、列車に乗る客にも見えないだろう。細かく覚えていないんだけれど、とにかく路頭に迷っていると説明したのかな....。お爺さんは通りすぎる時に、たまたま人影が見えて戻った様だった。「じゃぁ、ちょっとこっちへついて来い。」そう言って駅脇の薄暗い方へ連れて行っ...

酒に酔いたる騎士あらはる_(3)

「孤独になるには、旅に出るのがいちばんさ。」スナフキンはそう言った。 僕はこの1年前、高校入学前の15歳の春も、房総を自転車で旅していた。その時は友人と二人で、しかも宿泊まり旅だったから寂しくは無かった。でも、もうその時から、人にペースを合わせる旅が窮屈に感じてたのだ。旅に出ている時しか自由になる事なんてなかなか無いじゃない?だから、この16歳の年から家族を持つまで、旅は常に独りでして来た。まぁね、旅...